時間のごちそう。

時間のごちそう。

家族の記憶とともに、住み継がれてきた日本家屋。
その魅力を活かしながら、今の住まい方に合わせて新しく生まれ変わった、愛しい我が家。
季節の移り変わりを感じながら、採り入れる食材にもこだわって、丁寧に暮らしたい。

古き良きものと暮らすことが嬉しい。
幾つもの時を重ねた味を大切にしたい。

京阪神地域の町中に、古き良きものを残しながら、新しい空間と融合させた一軒の町家があります。
ご両親の古民家を譲り受けられたF様。

大切に住み継がれてきた日本家屋の良さを残したまま、風通しの悪かった水まわりや台所を大きく変えられました。
最初はリフォームを検討していた奥様でしたが、どのメーカーのキッチンを見ても「この家にしっくり来ない」と半ば諦めていたのだとか。
偶然ショールームでオーク材のスイージーを見掛けた時は、「これなら!」と、舞い上がる気持ちだったのだそう。
落ち着いたオークの質感が、空間によく馴染んでいます。

このお家には、小さめながら、四季折々の植物が楽しめるお庭があります。
奥様は調理の手を止めて、キッチンの窓から桜の木を眺めたり、夕日に輝く自然の姿に感動されたり。
「この窓から季節の移り変わりが感じられますし、思わず季節の食材を取り入れたご飯を作りたくなります」。
時折、奥様のご親戚が畑で穫れた野菜を差し入れてくださるそうで、今日も、新鮮な根菜を使って夕飯の支度です。

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1. 大きな鍋や沢山のざる、寿司桶、すり鉢。長く使ってきた物を自分なりにレイアウトして使い勝手をよくしたい。だから、スライドではなく開き扉。
2. 天板はステンレス。バイブレーションの鈍い仕上がりが、使い込まれたこの住まいによく似合う。

無垢と「和」が出逢い、新たに生まれる魅力。
この空間でいただく食事も、お茶も、すべてが一段と美味しく、嬉しく感じる。

「以前は台所が独立していましたが、今は後片付けをしながら会話ができますし、開放感があって気に入っています」。
洗い物をしながら、ダイニングテーブルと会話ができるキッチンレイアウトのおかげで、仕事柄帰りが遅くなりがちなご主人とのコミュニケーションも十分に取れているのだそう。
リノベーションを行う際、いかに広く感じられる間取りにするかがこの家の課題でした。
そこで、動かせない柱や梁はそのままに、壁をなくしてつながった空間に。
天井を剥ぐと出てきた梁もそのまま活かされ、古いものならではの魅力に溢れています。

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1. 重厚感のあるガスコンロ。休日にはご主人が作ることもあるのだとか。
2. 味わいのあるオーク材の扉は、日本家屋の趣にもよく合う。
3. 艶やかなステンレスの表情が空間を引き締める。
4. 昔から、古い木箱や道具箱によく使われていた形の取手。

F様邸。 ご主人 (38)/ 奥様 (36)

お茶を飲みながら読書をしたり、梅酒を作ったりなど、昼間もお家で過ごすことが大好きなF様。庭に咲く花や、キッチン窓からの木々の様子など、家にいながら四季を感じる暮らしを満喫されています。

F様